国立大学法人事務職員の業務紹介(2)_総務関係(会議のお世話)

 総務の仕事、最初は会議のお世話についてです。国立大学法人法は役員会、教育研究評議会、経営協議会の3つの会議を必ず置かなければなりません。大事なので少し長いですが条文も紹介します。

役員会は第11条、経営協議会は第20条、教育研究評議会は第21条に規定されています。国立大学法人法の条文のリンクを貼っていますので興味のある方は見てください。

 

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もちろん、大学の会議は他にもたくさんありますが、まずは特に重要な法定会議であるこの3つの会議において総務担当の事務職員がどのような仕事をしているのかをご紹介します。私が所属している大学では会議の事務は次の流れで進めています。

  1. 日程調整
  2. 議題の調整
  3. 会議資料の準備
  4. 議長との事前打ち合わせ
  5. 会議資料の送付
  6. 会議当日の運営
  7. 議事要録作成

 

順番に説明します。

 

1.日程調整

 役員会や教育研究評議会は定例で開催されることも多いかと思います(例:毎月第1月曜日など)。一方で経営協議会は委員の過半数は当該国立大学法人の役員又は職員以外の者でなければならないため、定例で開催しても都合が合わない委員が多くなっているので筆者の法人では日程調整をしています。具体的には学内の委員のスケジュールを確認して候補日を複数あげて、開催の3か月くらい前に委員へ候補日のお知らせをメールします(委員は地元企業の役員が多いので実際には秘書にメールします)。返事が返ってきたら一番多くの委員が参加できる(最低でも定足数を満たす)日程で開催日を決めて正式な開催通知を発送します(これもメールです)。

 

2.議題の調整

 日程調整と並行して会議の議題を調整します。議題は各部局の総務担当宛にメールで照会します(○月開催の役員会に提出する議題がある場合は○月○日までに議題を提出してください、みたいな感じです)。議題照会のメールと各部局が議題を提出するとき議題票はおそらく各大学でフォーマットを決めていると思います。

 議題が出てきたらその内容が会議で議論すべき内容なのかをまずは事務担当者で確認します。国立大学法人法を見てもらったら分かるように役員会、経営協議会、教育研究評議会はそれぞれに審議すべき事項が決まっています(重複していて分かりにくいと思うことも多いですが)。そのため、例えば経営協議会で審議すべき議題(法人の経営に関する方針についての議題など)が教育研究評議会の議題として提出されてきたら、適切な会議の議題とするように部局の総務事務担当者に伝えて議題を差し戻します。

 そのようにして予定している会議の議題が確定したら次に会議資料の準備をします。

 

3.会議資料の準備

 議題が確定したら会議資料を準備します。実際に会議資料を作るのは議題を提出した部署です。例えば財務諸表の作成についての議題であれば財務系の部署、授業のカリキュラム編成に関する議題であれば教務系の部署が会議資料を作成します。総務担当が自ら議題を出すこともありますのでその場合はもちろん当該議題の資料は自分で作成します。しかし基本は他の部署が提出した資料のとりまとめが主な仕事となります。

 資料がそろったら内容を確認します。誤字脱字も見ますが、会議資料として委員が見た時に分かりやすいかという観点でもチェックを行います。例えば資料が少なくて分かりにくいと思えば追加の資料を求めたり、逆に不必要に資料が多い場合は資料を厳選するように求めたりもします。そのようにして会議資料のとりまとめが終わったら議長(学長)との打ち合わせをします。

 

4.議長との事前打ち合わせ

 会議資料が準備できたら議長(学長)と打ち合わせをします。当日の進行や各議題でどんな委員からどんな質問が出そうかなどを予め相談します。そのうえで想定される質問に答えるために会議資料とは別に参考資料を作成して議長にだけ渡しておくこともあります(これを手持ち資料といいます)。

 

5.会議資料の送付

 議長との打ち合わせでOKが出て会議資料が確定したら委員に会議資料を配布します。最近は会議時間短縮のために会議資料は事前にメールなどで配布しておき会議前に読んでおいてもらうことが多いです。事前に読んでおいてもらうことで当日は資料の説明を必要最小限にすることができ、議論することに時間を多く割くことができます。

 

6.会議当日の運営

 会議当日は会場のセッティングをします。新型コロナの流行後はオンライン会議で行っているのでオンラインミーティングのセッティングが主な仕事になります。オンライン会議は会場の設営がないという面では効率的ですが、通信環境が不安定だったり、マイクやスピーカーの調子が悪いと委員が会議に参加できなくなってしまう恐れがあるので音声やカメラのチェックは入念に行います。ただし、大学側の設備は対応できても委員側の環境の問題で上手く通信できない場合はかなり対応が難しくなります。そのため、新しく委員になられた方とは事前にテスト通信を行うようにして会議当日にトラブルにならないように気を付けています。

 会議が始まれば進行は議長が行うので事務担当者はあまりやることはありません。必要に応じてオンライン上で資料共有を行うくらいです。

 

7.議事録作成

 会議が終わったら議事要録を作成します。これは若い職員に任されることが多いと思いますが私はいまだに苦手です。会議の音声データは残っていますが、委員が話したことをそのまま文字にする文字起こしとは異なり、議事要録では議論の中身を簡潔にまとめる必要があります。過去の議事要録を参考に議論になったこと、議論の結果、決まったことを分かりやすくまとめるようにします。作成した議事要録は学内で決裁を取って、確定したら大学ウェブサイトで公開します。

 

 以上が会議の事務の流れです。ルーティンに近い業務ですが、実際は日程調整で定足数を満たす日程がなかったり(もしくはドタキャンで急に満たさなくなってしまったり)、議題の提出期限を過ぎて議題を提出してきて、「次の会議で承認してもらわないと文科省への提出期限に間に合わないからなんとかして」と部局が言ってきたりと、色んな部署と関わることから調整能力はかなり必要ではないかと思いますし、結構ストレスのかかる仕事です。

 一方で管理職以外でこれらの会議に陪席できるというのは業務経験としては貴重です。自分の大学がどのような方向に進もうとしているか、現在どのような課題に取り組んでいるのかをタイムリーに把握することができます。私は総務担当から研究部門に異動したとたん、研究以外の業務(教務や入試など)に関する情報はほとんど入らなくなりました。大学全体の業務を把握しているということは特に役職が上がるにつれて必要となるスキルです。総務担当になった方にはぜひ大学全体の業務を見渡して業務をするバランス感覚と調整能力を身につけてもらいたいと思います。